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導入前の困りごと 業務効率化事例

【働き方改革】業務効率化のデジタルツール活用事例~RPA編~

先日、11月26日に厚生労働省が発表した人口動態統計で、2019年の出生数は90万人を割れることが確実となり、人口減少問題が一層顕在化しました。
少子高齢化が進むことで、日本企業の労働力不足問題が更に加速すると言えます。
下図は人口減少の推移を表したグラフです。15~64歳の生産年齢人口が2016年から2065年にかけて約40%減少することが予想されています。
人口動態統計

2019年4月には、この問題を解決するために、「労働力不足の解消」と「労働生産性の向上」を目的として、働き方改革関連法が施行されています。
皆さんの会社でも、働き方改革の影響を受けた取り組みが実施されているのではないでしょうか。
しかしその「働き方改革」。
働き方を変える、と言っても様々な方面からアプローチできるため、何から取り組みを始めればいいか悩みを抱える経営者は少なくありません。
更に近年では大企業でデジタルツールを利用した働き方改革・業務効率化が活発化し、中小企業にもその波が波及しています。
本記事では、デジタルツールの中でも「RPA」に特化して、業務効率化の取り組み事例を解説します。

1.業務効率化とは
2.業務効率化のポイント
3.RPAとは
4.RPAによる業務効率化事例
5.まとめ

1.業務効率化とは

「業務効率化」とは文字通り、より効率的に業務が行えるようにすることです。少子高齢化の影響で労働人口が減少したことにより、少ないコストでいかに効率よく業務を回すかが企業の課題になっています。業務内の「ムダ」「ムリ」「ムラ」を省くことで従業員のパフォーマンスを高め、効果的に利益を出すことが求められています。

2.業務効率化のポイント

業務効率化は、業務を洗い出すことから始まります。
自社業務の中に、以下の「非効率ポイント」に当てはまるものはありませんか?

非効率ポイント
 ・不要な業務がある
 ・効率の悪い業務がある
 ・作業量が多すぎる
 ・作業計画に無理がある
 ・品質が安定しない
 ・作業が担当者に偏る

これらの非効率ポイントが解消されることで、その部分に割いていた人的リソースを別の業務に配分でき、従業員の負担を減らすことができます。
その解消方法として近年大手企業を中心に導入が進んでいるのがRPAです。

3.RPAとは

RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、ルールエンジンやAIなどの認知技術を取り入れたロボットによって、パソコンを使用して行う業務を自動化・効率化する仕組みのことを指します。
現在のRPAは、作業手順が定まっている定型業務を自動化することが可能です。
業務を自動化することで人的リソースの問題や作業品質の問題が解消され、従業員の負担軽減に繋がります。

4.RPAによる業務効率化事例

RPAによってどのような業務効率化が実現できるのか、事例と共にご説明します。

事例①経理業務-交通費申請のチェック業務

≪課題≫
・従業員が申請した交通費申請の内容が正しいか、最安経路の検索を行って照合していたが、1経路あたり約5分かかっていた。
・チェックミスや漏れが発生していた。

≪RPA適応範囲≫
・最安経路検索処理
・申請内容と検索結果の照合処理

申請書ファイルに記載された経路情報を元に、最安経路を検索する処理を自動化。
検索結果から取得した最安情報と料金を申請内容と照合する処理を自動化。

≪RPA導入後の効果≫
・業務担当者は照合結果の確認のみでよくなった。
・ロボットによりミスなく処理されるため、品質向上に繋がった。

1つ目の事例はどの企業でも一般的に行われる経理業務の自動化です。
RPAは手順の決まった業務を自動化できるため、ファイル操作やWEBページの操作を人の代わりに行うことが可能です。
また、ロボットは決められたルールを順守するため、ミスがなく、作業品質を高水準で均一化させることが出来ます。

事例②製造業-注文データの登録業務

≪課題≫
・取引先からメールで届くExcel形式の注文データを受信し、基幹システムへ登録していたが、1日に処理するファイル数の多さと転記項目の複雑さにより、時間がかかっていた。
・メールの見逃しが発生していた。

≪RPA適応範囲≫
・注文メール受信処理
・注文データ登録処理

メール受信からシステム登録までの一連のプロセスを自動化。

≪RPA導入後の効果≫
・業務の一連のプロセスを自動化することが出来たため、大幅な工数の削減が実現した。
・メールの見逃しがなくなった。

2つ目の事例は製造業の注文データの登録業務です。
メールで届く注文データを基幹システムに登録する作業ですが、メールを見逃してしまったり、データの転記処理に時間がかかるなど、問題が発生していました。
メールの受信処理から自動化したことで、発生していたメール見逃し問題が解消され、顧客満足度の向上にも繋がりました。
また、これまで人が行っていた作業をロボットが代替することにより、人にしか出来ない「考える作業」(付加価値を生み出す作業)に時間を割くことが可能になります。

事例③小売業-会員パスワード問合せ対応業務

≪課題≫
・お客様から届くパスワード問合せメールに対し、人の手で会員情報の照会処理(氏名、住所、電話番号、生年月日の確認)を行い、照会結果に応じた対応方法を案内するのに時間がかかっていた。

≪RPA適応範囲≫
・パスワード問合せメール受信処理
・会員情報のデータベース照会処理
・メール送信処理

約20パターンの対応方法の中からお客様に合わせた方法を案内するところまで自動化。

≪RPA導入後の効果≫
・返信まで自動で行うので、人の手がいらなくなった。
・リードタイム短縮により、顧客満足度が上がり、注文が増えた。

3つ目の事例は、お客様へのメール対応業務の自動化です。
本件は会員パスワードの問合せに対するメール対応を自動化しました。
RPAで自動化することにより、人が行うよりも速い作業スピードで処理を行うことができ、作業時間を短縮することが可能です。
お客様への対応の窓口にRPAを導入したことで、お客様への対応スピードが上がり、顧客満足度の向上に繋がりました。

5.まとめ

業務を効率化する方法の1つとしてRPAをご紹介しました。

ご紹介したRPAの効果
・作業品質の高水準化・均一化
・作業時間の短縮化

また、バックオフィス業務を効率化することでコストの削減が可能となるだけではなく、結果的にお客様への対応品質の向上、対応スピードの高速化が実現し、顧客満足度の向上に繋がりました。
各企業が業務効率化を進める中、企業課題を解決するためのソリューションとして、RPAは今後益々、普及していくことが予想されます。

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