【RPA×生成AI】 業務整理から始めるRPA改善:失敗しやすい例と対策
【RPA×生成AI】業務整理から始めるRPA改善:失敗しやすい例と対策
RPAを導入したものの、「思ったより使えない」と感じていたり、そんな声を聞いたりしませんか?
実際、理想とのギャップに幻滅してしまい、RPAが定着しないまま取り組みが停滞してしまうケースも少なくありません。
本記事では、活用されなかったRPAを立て直してきた経験から、活用のポイントと改善の考え方を一部ご紹介します。
1.RPA化するその業務、「整理」できていますか?
2.AIと進める「業務整理」
3.ご相談はこちら
1.RPA化するその業務、「整理」できていますか?
さて、RPAでロボットを作成する上で、重要なのに見落とされがちなポイントがあります。
それは「業務そのものが、RPA化に適した形になっているか」です。
人が目視と手作業で行っていることを、そのままRPAにやらせる形で自動化を進めてしまう場合があります。
たとえば「ダウンロードしたファイルを指定フォルダへ移動させる」作業があったとして、
人が行う操作をそのままRPA化すると、失敗しやすいものになりがちです。
人が行う操作の例:
①ダウンロードしたファイルを確認
②移動先のフォルダを開く
③ドラッグ&ドロップでファイルを移動
RPAで再現した場合の失敗例:
①ダウンロードしたファイルを判別できていない(先頭のファイルを移動しようとする)
②移動先フォルダが分からない/開いていない
③ファイルのアイコンサイズが変わっていてドラッグできない
この作業は本来、例えば次のようにルールを整理してRPA化を進めるべきです。
①ダウンロードしたファイルには「ダウンロード_yyyymmdd.csv」(yyyymmddは今日の日付)と名前を付けて、
ダウンロードフォルダへ保存
→今日ダウンロードしたのがどのファイルか明確になり、選択しやすくなる
②移動先フォルダは固定のフォルダにしておく
→固定フォルダにする事で、移動先が明確になる
※ファイルの種類などによって移動先を変える場合は、別のルールを設定しましょう。
③ファイル移動はRPAの「ファイル移動」機能を使用する
→ドラッグ&ドロップではなく、組み込まれたプログラムを使う事で確実に操作する
このように「毎回同じ判断・同じ操作ができる共通ルール」に作業を整理すること、
そしてその整理方法を組織で共有することが、RPAを使った業務効率化を成功に導く秘訣と言えます。
2.AIと進める「業務整理」
ただ、紹介したような『業務整理』は得てして難しいものです。
これは、作業を行うスタッフが「普段、無意識で判断していること」をすべて明確な言葉にする必要があるからです。
「そんな大変な事、誰がやるの?」→それは、あなたです。
この記事を読んでくださっているあなたこそが、実作業を行うスタッフと会話して現状の手順をまとめることや、
RPA専用の業務手順を確立することができる唯一の人材と言えます。
しかし、一人で抱え込んで悩む必要はありません。今の時代は、サポートしてくれる強力なパートナーがいます。
それが『生成AI』です。
生成AIが、人やRPAの代わりに業務を実行してくれることはほぼありません。
(ツール連携、アプリ連携をすれば実行してくれる事もあります)
しかし「今ある作業の整理」「RPAで自動化する場合の処理手順」「エラーが起きにくくするアイデア」など
知らない分野など個人で思いつかない事や、盲点を見つけてもらう事には非常に長けています。
以下に、RPAの業務整理を考えてもらう用途に絞った、サンプルのプロンプトと応答を掲載します。
実際の業務にあわせて、”作業内容”の部分を編集しながら、生成AIに尋ねてみてください。
■プロンプト例:
パソコン上で以下の作業を行っています。
RPAの機能を活用して自動化するにあたって、業務整理を手伝ってください。
<作業内容>
・ダウンロードフォルダのCSVファイルを特定のフォルダへ移動
<期待する応答内容>
・RPAで実装する処理(使用するパーツ例)
・事前に決めるべきこと
以上を簡潔に整理してください。

■応答例:

このように、曖昧だった「作業内容」を、RPAで組み立てやすいように一区切りごとの作業内容にした上に、
作り始める前に検討しておくべき事を挙げてくれます。
(プロンプト内に、使っているRPAの情報も記載すれば、可能な範囲で対応してくれます)
繰り返しになりますが、「RPAが思ったほど使えない」ことは、珍しい話ではありません。
ただ、それはRPAが悪いわけではなく、業務自体や担当者が悪いわけでもありません。
RPA導入の成功事例では「RPAが実施する範囲」や「事前に決める事柄」がきっちり整理されているケースが多いと言えます。
今ある業務、作業を手順化して、どの部分をRPA化できるか、どの部分にAIを活用できるか。
DXの活用範囲と方法を事前に検討することが成功への近道です。
生成AIにはまだまだ課題も多いですが、上手く使えば非常に強力なパートナーになります。
例示したプロンプトは無料版(未ログイン)でも使えるよう1応答で終わる形にしていますが、より深く掘り下げていく事も可能です。
生成AIから得た意見をもとに、関係者で改めて手順を定義するなどして、より良いDXを実現していきましょう。
生成AIやRPAの使い方はもちろん、導入前後の業務整理のお悩みなども、お気軽にご相談ください。
3.ご相談はこちら
弊社は古くからWinActorの正規一次代理店で、無料の技術サポートが特徴です。
ご質問、ご相談などは下記のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。


