導入後の困りごと WinActorバージョンアップ
【WinActor】バージョンアップの歴史とバージョンアップ時に気を付けたいこと
RPAツール「WinActor」は2014年にリリースされてから、導入企業数は8,500社を突破しました。(2025年3月時点)
2020年1月にはWinActorVer7がリリースされ、これまでのWinActorから大幅にGUIを刷新し、新機能を追加したWinActorとなっています。
Ver7がリリースされるまでに、WinActorはVer5系、Ver6系と様々な機能改善・追加が行われてきました。
本記事では、WinActorのバージョンアップの歴史とバージョンアップ時に気を付けたいことをご説明します。
1.バージョンアップの歴史
1-1.v4系⇒v5系
1-2.v5系⇒v6系
1-3.v6系⇒v7系
2.バージョンアップ時に気を付けたいこと
2-1.保守期間
2-2.シナリオへの影響
3.まとめ
1.バージョンアップの歴史
2017年にv4系がリリースされたWinActorは、2025年8月現在v7.6.0が最新バージョンとしてリリースされています。
以下に、v5.0.0のリリース以降のWinActorバージョンアップの歴史をまとめました。
各バージョンの変更点を確認し、バージョンアップの参考にしてください。
また、お客様に心地よく使っていただくために改善を重ねるWinActorの取り組みをご確認ください。
1-1.v4系⇒v5系
v5.0.0(リリース:2018年2月末)
変更点
・シナリオにパスワードをかけられるように対応
・データベース連携ができるように対応
・変数のグループ管理ができるように対応
・右クリックから「部分実行」ができるように対応
・「ウィンドウ識別名」がプルダウンで選択できるように対応
※その他、セキュリティ対策や操作性、動作環境が改善されました。
編集できる人、実行のみできる人など権限分けが可能に!
互換性
・シナリオファイルの拡張子が「.ums5」に変更
・v4のシナリオファイル(.ums4)の読込、実行が可能
※v5では「.ums5」形式でしかシナリオを保存できません。
※v4では「.ums5」形式のシナリオを読み込むことができません。
v5.1.0(リリース:2018年5月中旬)
変更点
・フローティングライセンス方式への対応
・ブラウザ連携用ライブラリを追加(Google Chrome、MicrosoftEdgeを操作するライブラリを追加)
・ユーザライブラリを検索する機能を追加
※その他、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が改善されました。
要望の高かったブラウザの操作が可能に!
v5.2.0(リリース:2018年12月末)
変更点
・管理機能との連携への対応
・Javaアプリケーション操作用ライブラリを追加
・Windows Server 2012 R2への対応
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が改善されました。
WinActor管理ツールとの連携が可能になり、大規模展開にも対応!
v5.3.0(リリース:2019年2月下旬)
変更点
・WinDirector® powered by NTT-ATへの対応
・Path取得ツールが.Net Framework4.xで動作するように対応
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が改善されました。
1-2.v5系⇒v6系
v6.0.0(リリース:2019年5月末)
変更点
・テキスト処理ツール「WinActorノート」機能を追加
・メール受信機能を追加
・画像マッチングに加え、高精度の「輪郭マッチング」を追加
・Google Chromeの操作を自動記録できるように対応
・HTTPリクエスト用アクションを追加
・JSON形式のデータを変数に相互変換するアクションを追加
・ブレイクポイントを設定してステップ実行できるように対応
・ノードの名前、コメントの一括更新ができるように対応
・フローチャートに「付箋メモ」を設定できるように対応
・ブラウザ関連ライブラリに「Firefox」の操作を追加
・Microsoft Office 2019への対応
※その他、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
新機能が増え、シナリオ作成の幅が広がるように!
互換性
・シナリオファイルの拡張子が「.ums6」に変更
・v5のシナリオファイル(.ums5)の読込、実行が可能
※ただし、v6では「.ums6」形式でしかシナリオを保存できません。
※v4のシナリオファイル(.ums4)の読込、実行はできません。
※v5では「.ums6」形式のシナリオを読み込むことができません。
v6.1.0(リリース:2019年7月上旬)
変更点
・右クリックメニューから、呼び出し先のサブルーチンにジャンプするように対応
・Javaアプリケーションの操作範囲を拡大
・JSON読み取りライブラリを追加
※その他、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v6.2.0(リリース:2019年10月上旬)
変更点
・管理サーバ、ライセンスサーバが冗長化されている環境への対応
・プロキシサーバ認証方式の追加
・ログ分割保存機能の追加
・シナリオ一時停止中にプロパティを表示できるように対応
・シナリオ一時停止中にグループノードの開閉ができるように対応
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
操作性を向上させ、シナリオ作成をスムーズに!
v6.3.0(リリース:2020年2月中旬)
変更点
・画像認識ツール「WinActorEye」機能を追加
・Firefoxの操作が自動記録できるように対応
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
1-3.v6系⇒v7系
v7.0.1(リリース:2020年1月末)
変更点
・ハードウェア推奨環境およびソフトウェア動作環境を変更
・GUIを刷新し、画面構成を大幅に変更
・同時に複数のシナリオファイルを開けるように対応
・条件式で扱える数値の範囲を広げ、小数が利用できるように対応
・四則演算ノードで扱える数値の範囲を広げ、小数が利用できるように対応
・実行ファイル名を「WinActor.exe」から「WinActor7.exe」に変更
※その他、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
だれもが使いやすいRPAを目指し、シナリオ生産性、デバッグ効率性をUP!
互換性
・シナリオファイルの拡張子が「.ums7」に変更
・v5およびv6のシナリオファイル(.ums5または.ums6)の読込、実行が可能
※ただし、次の機能を含むシナリオファイルを実行することはできません。
①WinActorノート
②Cloud Library
③v6.3の新機能
※v7では「.ums7」形式でしかシナリオを保存できません。
※v4のシナリオファイル(.ums4)の読込、実行はできません。
※v5およびv6では「.ums7」形式のシナリオを読み込むことができません。
v7の機能と使用方法に関して、こちらの記事でもご紹介しています。

v7.1.0(リリース:2020年8月下旬)
変更点
・画像認識ツール「WinActorEye」機能を追加
・テキスト処理ツール「WinActorノート」機能を追加
・管理サーバ / syslogサーバへのログ送信
・Windows Server 2019への対応
・WinActor Scenario Script (WSS)の提供
・Cloud Libraryダウンロードツール(WABAgent)の提供
・OCRマッチングノードの追加
・テーブルスクレイピングライブラリの追加
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v7.2.0(リリース:2021年2月上旬)
変更点
・初心者向けエディタWinActor Storyboardの提供
・UI Automationを使用した自動記録モードを追加
・Chromium版Microsoft Edgeの自動記録に対応
・スクリーンセーバー解除機能の追加
・シナリオファイル呼び出し機能の追加
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v7.3.0(リリース:2021年10月上旬)
変更点
・Microsoft EdgeのIEモードの操作に対応
・WinActor本体、WebDriver、ライブラリのオンラインアップデート機能の追加
・ドキュメント生成機能の追加
・イベント監視機能の追加
・Googleカレンダー連携機能の追加
・Power Automate Desktopとの連携機能の追加
・設定インポート・エクスポート機能の追加
・Cloud Library検索機能の追加
・ノード整列機能の追加
・UI Automationライブラリの追加
・汎用HTTPライブラリ追加
・JSON操作用ライブラリ追加
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v7.4.0(リリース:2022年6月上旬)
変更点
・起動済みブラウザを操作する機能の追加
・ライブラリ自動最新化機能の提供
・オンラインライセンス登録機能の追加
・自動記録時の操作対象を自動で切り替えるモードの追加
・記録時のWinActorウィンドウを小さくする機能の追加
・問い合わせ用情報収集機能の追加
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v7.5.0(リリース:2024年7月中旬)
変更点
・シナリオ作成ガイドの追加
・生成AI(OpenAI、Azure OpenAI)を使用したシナリオ作成機能の追加
・Python実行ノードの追加
・Box連携サブシナリオの追加
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v7.5の新機能の解説に関して、こちらの記事でもご紹介しています。

v7.6.0(リリース:2025年7月中旬)
変更点
・生成AI連携機能の拡充
・シナリオ差分表示機能の追加
・シナリオフォーマットチェック機能の追加
・VBScriptの段階的廃止に伴う同梱ライブラリのPython化
※その他、セキュリティ対策、シナリオ作成やシナリオ保守に関する操作性・機能が追加/改善されました。
v7.6の新機能の解説に関して、こちらの記事でもご紹介しています。

2.バージョンアップ時に気を付けたいこと
バージョンアップの際に気になるのが、「保守期間」と「シナリオへの影響」です。
2-1.保守期間
新バージョンリリース後、前バージョンの販売は終了します。
ライセンス更新や買い増しに関しては、販売終了日を新バージョンリリースの1年後とし、そこから更に1年間は前バージョンの資材の提供が行われるようになっています。
しかし、いずれは前バージョンの提供が終了してしまうので、早めに新バージョンへバージョンアップを行うことをお勧めします。
2-2.シナリオへの影響
シナリオファイルの互換性、既存ノードやライブラリの改善/不具合修正に注意が必要です。
シナリオの互換性はバージョンアップの歴史で上述した通りです。
v7系でシナリオを保存すると.ums7になるため、v6系で読み込めなくなってしまいます。
注意しましょう。
v4からv5、v5からv6は特に影響なく、シナリオを実行することができます。
バージョンアップ後は、念のためテスト実行をして、動作を確認してください。
シナリオへの影響が考えられるのは、v5およびv6からv7へのバージョンアップです。
条件式や四則演算に使用できる数値の範囲が広がったことにより、シナリオへ影響が考えられるため、注意が必要です。
その他にも、新機能が追加されたことによりシナリオに影響が及ぶ可能性があり、十分にテストを行う必要があります。
また、バージョンアップにより、ノードやライブラリに機能改善や不具合修正が入っていることがあります。(ライブラリの統合・消失・追加)
しかし、WinActorをバージョンアップしたとしても、既存のシナリオに使用しているライブラリが置換されるわけではありません。必要に応じて、ライブラリの置換を行いましょう。
図)ライブラリ変更履歴
v6系以降ではノードの名前、コメントのエクスポートが可能です。
コメントに使用したノード名を記載することで、差し替えが必要なノード一覧を作成することができます。
また、最新機能の使用方法に関しては、ベンダーへ問い合わせることで解決できることもあります。
その他、最新機能の説明を行うセミナーや勉強会へ参加して情報を収集しましょう。
3.まとめ
WinActorはお客様のRPA活用を促進するために機能改善に取り組んでいます。
今回ご紹介したバージョンアップの変更点はごく一部ですので、更に詳しく知りたい方はお問合せフォームよりご連絡ください。
バージョンアップに関するご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。