導入後の困りごと シナリオ作成の課題
【RPA担当者向け】WinActorシナリオ作成の課題と解決方法
2023年3月9日 更新
「WinActor」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社が提供する純国産RPAです。
コーディングが必要なく、業務のフローチャートを作成することで簡単にロボット作成(WinActorではシナリオ作成と言います)ができ、
業務を理解しているユーザー部門自らシナリオを作成して、自動化を進めることが出来ます。
WinActorは、2014年1月の提供開始以降、年々導入企業数が伸び続けており、2022年11月には7,500社を突破しました。
導入企業が増えてきている中で、WinActorを導入したものの、シナリオ作成に課題を感じているというお客様も多いようです。
本記事では、シナリオ作成の課題と解決方法を解説します。
1.シナリオ作成の課題
2.自動化する業務を洗い出せない
3.シナリオを作成する人がいない
4.シナリオを作成する時間がない
5.まとめ
1.シナリオ作成の課題
「導入したはいいけど、シナリオ作成が上手く進まない」
導入初期のお客様からこのような声をいただくことがあります。
シナリオ作成の課題が解決しないままでは、シナリオが増えずRPA導入の効果を出すことが出来ません。
業務自動化を進めていくうえで、内製化は重要なポイントとなりますが、まずはシナリオを増やして導入効果を出すことが大事です。
シナリオ作成が進まない要因として、次の3点が挙げられます。
⑴自動化する業務を洗い出せない
⑵シナリオを作成する人がいない
⑶シナリオを作成する時間がない
これらの内容について、以降で解説いたします。
2.自動化する業務を洗い出せない
シナリオ作成が進まない原因の一つとして「自動化対象業務を洗い出せないから」という場合があります。
この場合は、自動化対象業務の洗い出し方を見直す必要があります。
「RPAの効果を出せる業務がない」と判断している場合、1つの業務だけで効果を出そうとしていないか振り返ってみてください。
ひとつひとつは小さな業務でも、塵も積もれば山となり、複数の業務の削減効果の合計が、結果的に大きな効果になり得ます。
例えば、1部署内の業務の洗い出し・作成が出来たら、巻き込む範囲を広げていき、効果を積み重ねていきましょう。
また、業務の洗い出しの際に、「どんな業務を洗い出せばいいかわからない」との声がよくあります。
基本的な業務洗い出しのポイントは以下の3つです。
POINT1 繰り返し行っている定型業務を書き出す
POINT2 時間がかかっている業務を書き出す
POINT3 チェック処理やミスの許されない業務を書き出す
POINT4 属人化している業務を書き出す
POINT5 他社の導入事例を見て、自分の業務と照らし合わせる
これらのポイントをもとに、社内で業務の洗い出しを進めましょう。
上記ポイント以外にも、会社によっては自動化に効果的な業務が隠れていることもあります。
ポイントに当てはまらないからと、自動化対象から外してしまうのではなく、「この業務が自動化できると助かる!」という目線も大事です。
3.シナリオを作成する人がいない
次に、シナリオ作成が進まない原因が「シナリオを作成する人がいないから」という場合です。
この場合、大きく2つに分けると「シナリオ作成が難しくて担当できる人がいない」場合と、「シナリオ作成にアサインできる余裕がない」場合があります。
前者の場合、実際に作成を開始してノウハウを蓄積していただくか、教育や学習コンテンツを活用してシナリオ作成の考え方を身に着ける必要があります。
WinActorは数あるRPA製品の中でも、特に扱いやすいとのお声もあるツールですが、それでもプログラミング未経験の方からすると難しく感じることがあります。
一人で学習するとなると、未経験の方では挫折することが考えられるため、一緒に学習できるように担当者を複数アサインするか、ベンダーからの教育がおすすめです。
弊社でも「基礎・演習・応用・発展」と、スキルレベルに合わせた研修をご用意しているので、お気軽にご相談ください。
また、サポートサイトではFAQや学習コンテンツの公開していますので、是非ご活用ください。
次に、後者の場合は社内で人員を割けるように体制を整えるか、シナリオ作成を外注する必要があります。
社内全体に対してRPAに興味がある人を募集できるように、WinActorの操作体験ワークショップを開くのも一つの方法です。
WinActorに興味を持ってもらう機会を作ることで、シナリオを作成する人の確保と社内推進が可能です。
また、シナリオ作成を外注するという方法もあります。
外注することで、プロが対応するため高品質のシナリオを、短期間で作成することが出来ます。
また、高品質のシナリオを参考にすることで、人材育成の為の教材としてもご利用いただけるケースも多くあります。
最初から内製化を意識しすぎると、1年目に動かすシナリオが無いということが起きるかもしれません。
内製化はもちろん大事ですが、導入初期してすぐは動かすシナリオがない状態です。
まずは、動かすシナリオを作るところが一番重要な目標だということを意識する必要があります。
①社内の人員でシナリオを作成する | ②シナリオ作成を外注する | |
メリット | ・自社で対応できるので費用を抑えることができる ・業務や環境が変更した時のシナリオ改修を迅速に行える |
・プロが対応するので高品質なシナリオを、短期間で開発できる ・作成したシナリオを参考にして、学習に利用ができる |
デメリット | ・作成スキルの習得に時間がかかる ・最初に作るシナリオの品質にばらつきが出る |
・作成、保守の度に費用がかかる ・緊急の修正対応はできない場合がある |
4.シナリオを作成する時間がない
最後に、シナリオ作成が進まない原因が「シナリオを作成する時間がないから」という場合です。
この場合は、シナリオ作成のスケジュール立案を行いましょう。
シナリオを完成させるためには時間が必要です。スキル定着のためにも、継続的に時間を取ってWinActorに触る必要があります。
RPAに対してどのくらい時間を割くか、スケジュール(計画)を立ててシナリオ作成に取り掛かりましょう。
スケジュール立案のポイントは2つです。
POINT1 シナリオ作成に割く時間、その結果得られる効果を整理する
スケジュールを立てるために、優先順位を付けた業務に対してどのくらいの時間を割くか整理します。
また、そのシナリオが完成することによる効果を認識することで、RPAに時間を割く意義を再確認します。
もちろんWinActorは夜間も動かすことができるため、シナリオ完成後は営業時間内の時間も確保できることになります。
POINT2 RPAに対する時間の確保を定例化する
例)シナリオ作成スキルの定着のための開発勉強会の定期開催を企画する(2週間に1回3時間、など)
定期的な活動にすることで、シナリオ作成の時間を必ず確保するようにします。
習慣化して社内でWinActorが広まることで、シナリオ開発者の育成も一気に加速していきます。
これらのポイントをもとに、スケジュールを立ててシナリオ作成に取り掛かりましょう。
5.まとめ
シナリオ作成が進まない要因として、次の3点を解説しました。
⑴自動化する業務を洗い出せない
⑵シナリオを作成する人がいない
⑶シナリオを作成する時間がない
解決策は以下の通りです。
課題 | 自動化する業務を洗い出せない | シナリオを作成する人がいない | シナリオを作成する時間がない |
解決策 | ・繰り返し行っている定型業務を書き出す ・時間がかかっている業務を書き出す ・チェック処理やミスの許されない業務を書き出す ・属人化している業務を書き出す ・他社の導入事例を見て、自分の業務と照らし合わせる |
・全社的に興味のある人を募集する ・シナリオ作成を外注する |
・シナリオ作成のスケジュールを立てる ・RPAに対する時間の確保を定期化する |
WinActorを導入した目的をしっかりと考え、自動化をするためのシナリオを増やして行くことが大事です。
シナリオ作成が上手く進まない要因を見定め、課題の解決に着手しましょう。
ブレイン・ゲートでは、業務棚卸に使える書き出し方法や項目をまとめたフォーマットや、RPAの効果を整理できる評価フォーマットを用意しています。
また、自動化事例、優先度チェックリストもご用意していますので、課題解決に向けて更に詳しく知りたいという方はお問合せください。
業務棚卸やシナリオ作成に関するセミナー・勉強会も開催しています。